LSVT®BIG 研修終了 と LSVT®BIGについて
新潟から愛媛への帰路(車)
今日LSVT®BIGの講習会のあった 新潟から愛媛まで一気に車で帰ってきました(・_・;)
アホや~~
会場だった汐美荘
大きな地図で見る
会場の新潟から愛媛まで956kmもあったのでとてもきつかった……
当たり前ですね
しかも雨天だったので高速のPAやSAで歩き回って気分転換する事もできず
また運転自体も雨で視界が悪くかなりストレスフルな復路でした
その影響なのか運転中に咳が止まらなったり頭痛がしたりして
本当に帰れるのか心配になるぐらい
しかし鎮痛剤に頼ってふらついても駄目なので
PAで仮眠を4、5回繰り返し気力で事故なく戻ってこれました
車の中でフラットに寝れる環境を作っといて本当によかった
よく作っといてくれたよ自分
今回、計らずとも自分の身体と精神の限界を知る機会となってしまいました
こんな機会はないにこしたことはないんでしょうけど…
今では高速の2、300kmは余裕!と感じています
でも天候の悪い時は500km以上の長距離は車ではなく飛行機や新幹線で行った方がいいよMAJIDE!
もう結構な歳になりますが自分はアホでした(^_^;)
苦いいい経験となったので良しとします
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さてLSVT®BIGの試験の方はなんとか無事に受かり
LSVT®BIG認定セラピストとなることができました
今回研修を受けてみて本当に良かったと思っています。
LSVT®BIGに興味をもったきっかけ
ぼくが関わる神経難病患者で一番多い疾患がパーキンソン病(PD)です
訪問リハビリでは理学療法士協会のガイドラインなどで効果の高いと言われている複合的な運動やノルディックウォーキングなどを行ったりしていました
もちろん即時効果もみられるのですが、1週間後には完全に元に戻っていたり、さらに悪化したり……と、いい手応えがない状態が続く感じ
そのため何かいい方法がないものかいつも模索している状態でした
そんなぼくがいつもロールモデルとしている先輩がいるんです
その先輩はLSVT®BIG認定セラピストになり、その先輩が務める国立精神神経医療研究センターでは、すでにLSVT®BIGが行われて効果をあげているという話を聞く機会がありました
その国立精神神経医療研究センターでPDのリハビリ治療を中心的に行われている医師の記事はコチラ
パーキンソン治療で注目の「LSVT BIG」とは? 〈週刊朝日〉
話を聞いていて興味を持ったぼくはLSVT®BIGについて調べてみると、LSVT®BIGが開発される元となった言葉のリハビリの方のLSVT®LOUDは、海外では何と「PD薬と同等の効果がある」いう最上位のエビデンスが認められているという事を知りました
LSVT®LOUDの凄さを感じる論文はコチラ(無料で公開されています)
Intensive voice treatment (LSVT®) for patients with Parkinson’s disease: a 2 year follow up
治療後2年も結構効果が持続しているのは驚き(・_・;)
またLSVT®BIGは開発されて間もないためかそこまでのエビデンスはない(注意:僕の知り得た範囲です)が、PNFの様に治療に保険が使えるなど認められている国があると聞き、LSVT®BIGに更に興味をもった訳です
それで海外の論文を漁(あさ)ってみると、このLSVT®BIGと他の治療法 との比較研究した論文に出会いました
それがこれ
Georg Ebersbach:Comparing Exercise in Parkinson’s Disease—The Berlin LSVT®BIG Study,Movement Disorders Vol. 25, No. 12, 2010, pp. 1902–1908 (※1)
それはLSVT®BIGをしたグループ(LSVT®BIG) と ノルディックウォーキングをしたグループ(WALK) と 家での自主練習のためにセラピストから指導を受けたグループ(HOME) との比較
詳しくは実際の論文をみて頂くとして結果のみ紹介すると
※1より引用改変
LSVT®BIGをしたグループがむっちゃ良くなっているんですね
評価項目であるUPDRSってのは、世界的によく使わるパーキンソン病の方に対する評価スケールでⅢは、運動能力を中心に評価したものとなります
数値が少なければ少ないほど運動機能が良い事を示しています
この項目ではLSVT®BIGのみがむっちゃ改善しているんですね
PDQ-39はパーキンソン病患者さんのQOLを評価したもので、これも数値が少ない方が良い事を示しています
この項目ではノルディックウォーキングをしたグループ(WALK)に負けていますが、Timed Up & Go Test (TUG) や 10m歩行テスト(Timed 10m) では LSVT®BIG が勝っています
加えてこの研究では、1番差の大きいUPDRSの運動項目における経時的な変化を示した図2が紹介されています
この図で注目して頂きたいのは、介入自体は、LSVT®BIGは12W目、ノルデックウォーキング(WALK)は8W目で終了しているのですが、LSVT®BIGは介入が終わってからも良くなり続けている所なんですね、維持っていうわけではなく!
すごいと思いませんか?
※1より引用改変
この論文をみてLSVT®BIGを受講してみようと決めました
LSVT®BIGの研修を受けてみて
ぼくは「何故か治療場面では確かにパーキンソンの患者さんの動きは良くなるけど、効果がすぐなくなってしまう」という疑問を抱いていました
今回の研修では、その疑問に対して明確な答えがありどの様に考え対処していけばよいのか、その指針をきっちり教えて頂けました
正にスッキリといった感じです
今回その内容は、極秘事項にあたるので残念ながらお伝えする事は出来ません
(何だかNHKのタイムスクープハンターみたい)
今回要した15万近くの費用と時間には十分見合うのではないかと思っています
これからの自分の臨床への関わりいかんに今回要した15万以上のベネフィットがあるかどうかが、かかっているのではないでしょうか
また研修を受ける前に、LSVT本部との間で、極秘事項は他のセラピストに伝えてはならないという誓約書(他にも沢山項目あり)に同意のサインをしました
さすがアメリカらしいなぁと思ったのですが、ネットや書籍等ではLSVT®BIGのアブストラクトばっかりで、訓練方法の詳細が書かれていないのはその影響がかなりあるのではないかと思います
「訴えます!」と言われたら怖いですもんね
訴訟大国のアメリカですからとんでもない額を請求されそうです
怖い…怖い…
ちなみに研修会に参加しなくても参照できる海外や日本のLSVT BIGのペーパーからわかる範囲で言えば
このLSVT BIGも運動によって脳の神経は変わるという神経可塑性に元に開発されており
それはCVA患者さんに対する課題指向型リハビリテーション(CI療法や速度依存型トレッドミルトレーニングets)と同じだと思われます
ただ対象がCVAかPDかでの違いはもちろんあり
それらを考慮した上で日常生活に汎化(carry over)するための、様々な運動やその組み合わせやその運動量、効果を持続するための方法にLSVT BIGのオリジナリティがあるのではないかとぼくは思いました
PD患者さんに対して、こんな運動をこんな量でこんな風にすれば良くなる、と言えるのは正直すごいと思います
曖昧じゃないんですね
詳しく知りたければ研修会に参加して下さいとしか言えません
もちろん認定セラピストが患者さんに対して治療を行う際には、その極秘事項を患者さんに伝える事は許可されています
おみやげも頂きました
でも今回の研修では、他のセラピストに紹介してもいい内容のデータ(パワーポイントのスライド)が入ったUSBフラッシュを頂けました
これで同僚等に説明して下さいとの事みたいです
これがそのUSBフラッシュ、なかなか素敵!
LSVT®BIGの文献を見たい方
◎ちなみに簡単に海外の論文を見たい方はPubMedに行ってもらってLSVT BIGかLSVTで検索してみてください
こういう感じで表示されます
論文によっては無料のFULL TEXTを観ることができますよ
◎日本語ではこの下の本に収録されている記事(リー・シルバーマン法によるパーキンソン病患者のリハビリテーション:坂元千佳子 著)が簡潔にまとめられていて良かったです
講師の先生方と記念写真
英語で写真を頼む時が1番緊張しました
田舎なので外人さんと英語をしゃべる機会はありません(・_・;)
LSVT®BIGの動画
LSVT®BIGについて簡単な紹介動画がYou tubeにアップされていますので紹介します
左がLSVT®BIGの治療前で右が治療後になります
初めて観た時にはその変化に、失礼ながら「うそやろ~」と思ってしまいました!
【2016/6/17追記】
またLSVTの本部よりLSVT無料ウェブセミナーがYou tube上に公開されたので紹介します(日本語逐次通訳あり)
これからLSVT® LOUD・LSVT ®BIGに興味のある方および、これからLSVTの講習を受けられる方もかなり参考になるのではないでしょうか
LSVTのかなり深い所も説明されていますよ
宣伝
愛媛県の東予(今治)で訪問リハビリ(訪問看護)にてLSVT®BIGを受けてみたいと思われる方がいらっしゃいましたら、此方までご連絡ください
gyoukouseiranPT@gmail.com
介護保険あるいは医療保険(特定疾患受給者証をお持ちの方)を用いた訪問が可能かどうかについてお答えしたいと思います
(( 追記 2019/09/05 ))
LSVT BIGには認定更新期限があるのでご注意下さい
こちらの記事に詳細を書いています
LSVT BIG認定セラピストは認定更新が必要 – ちんねんの徒然なる日記
(( 追記終わり ))
最後に
今回研修する機会を提供してくれたLSVT®BIGの講師の先生方やスタッフの方々、そして実技演習の際、ボランティアとして参加して頂いたパーキンソン病の18人の患者さんとそのご家族、そして、研修に行くに当たり快く送り出して頂いた当事業所のスタッフとスケジュールの変更に応じてくれたぼくの担当患者さん達、ありがとうございました
次の記事はコチラ ⇒ LSVT®BIGのプレゼン (訪問看護師さん対象)
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LSVT®BIG関連リンク
(前年11月2日)LSVT®BIG講習会のお知らせメールが届いた!
(3月30日)LSVT®BIG 事務局への入金 と 予習論文
(4月3日)会場の新潟まで愛媛からどうやって行く?(LSVT®BIG)
(4月12日)車の中で休憩するために①(LSVT®BIG)
(4月23日)LSVT ®BIG 予習論文の訳 完了!
(4月25日)車の中で休憩するために② 車中泊用の棚を自作(LSVT®BIG)
(4月26日)車中泊用ベッド完成(LSVT® BIG )
(5月1日)車中泊用ベッド修正(LSVT®BIG)
(6月4日)サンシェード自作(LSVT®BIG)
(7月2日)車の中で休憩するために③ どこでも扇風機購入
(7月3日)愛媛から新潟まで893km出発!(LSVT®BIG)
(7月5日)今日からLSVT®BIG研修開始
(7月7日)LSVT®BIG 研修終了と LSVT®BIGについて
(翌年1月22日)LSVT®BIGのプレゼン (訪問看護師さん対象)
(翌年2月5日)LSVT BIG認定セラピストの見つけ方(連絡先)
(翌年2月9日)LSVT®BIGのプレゼン(法人セラピスト対象)
(5年後)LSVT BIG認定セラピストは認定更新が必要
神経難病のリハビリ 関連リンク
・アイスマッサージの唾液分泌抑制効果
・先月発売された「神経難病領域のリハビリテーション実践アプローチ」を読んでみた!
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・背屈補助装具作ってみました!?
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・今治保健所主催の講義(在宅神経難病患者の摂食嚥下のリハビリテーション)
・今治保健所難病地域ケア研修会
初めまして、福岡県で作業療法士をしているものです。
突然申し訳ありません、LSVTの研修会に興味があり、ネットで調べていると、こちらのサイトにたどり着きました。
テストのこと等、色々伺いたいと思い、コメントさせて頂きました。
色々お聞きしても宜しいでしょうか。
返信お待ちしています。
はじめまして、丸山さん
ぼくのブログに来て頂きありがとうございます
テスト内容については、LSVT Globalとの契約でお伝えすることは難しいですが、契約外の事だったら大丈夫ですよ