聴診の話①(肺区域・ランドマーク・目印)

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はじめに

前回の訪問看護師さん向けの話(楽な肺理学療法)の中で、排痰といえばスクイージングや呼吸介助などがありますが、吸引回数を減らすために患者さんを動かしたり(動いてもらう)のも立派な呼吸ケア(肺理学療法)なんですよ、という話をしました

 

 

 

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その中でなぜ患者さんを動かしたら良いのか? という話の中で

痰の移動は①換気量②重力③繊毛運動④痰の粘稠性に影響されるのですが、患者さんを動かしたり、動いてもらうといった刺激は、この①~④全てにいい影響を与えるので痰が出やすくなる、という事でしたね

 

 

 

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その①~④の中でも特に重力使って痰を出そうとする方法にはとっても有効なので、名前がついていてそれが体位ドレナージ(体位排痰法)でした

ただその体位ドレナージ(体位排痰法)を使うためには、痰がたまっているのかその有無がわからなければならないですし、痰が肺のどこにたまっているのか、がわからなければならないんです

特に検査機器が限られている訪問で、その体位ドレナージ(体位排痰法)を使うためには「聴診」が必要不可欠なので今回その話になります

 

以前の話を詳しく知りたい方は ⇒ コチラ

 

 

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聴診の話をする前に、以前のぼくの話を聞いた(見た)事がない方もいると思うので、「体位ドレナージ(体位排痰法)」について簡単に説明します

それは「体位ドレナージ(体位排痰法)」が知る事で「聴診」がなぜ必要なのかよく分かると思うから

 

 

 

それで今から体位ドレナージの説明ますが、簡単な肺の解剖の知識があった方が更にわかりやすいので、準備としてそちらから説明します

 

肺の解剖

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この図の様に肺っていうのは1本の気管から木の枝みたいに気管支が枝分かれしているんですね

最終的に肺胞と呼ばれている所にいくまでに23回も枝分かれしています

その中でも主な気管支というのは左右に10本ずつあって、その先に10個ずつ部屋がある構造をしています

 

 

 

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その 主な気管支  と  部屋の名前 についてですが

主な気管支は右の図の様に木の枝みたいなので、英語の枝 Branch ブランチ のBからとって、右B1、右B2、といった様な名前がついています

その主な気管支の先にある部屋は肺区域と呼ばれているですが、区域を英語でいうとSegment セグメントなので、そこからSをとって右S1、右S2という名前がついています

 

 

この主気管支B と 肺区域S との関係なのですが

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例えば、右側のB1の気管支(右B1)の先にある部屋は、右S1という名前になります

そんな関係にあるんですね

 

 

 

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これで体位ドレナージ(体位排痰法)を理解するための準備は完了しました!

簡単だったでしょ

 

 

 

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準備が整ったので、これから体位ドレナージ(体位排痰法)について説明します

 

 

 

 

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体位ドレナージ(体位排痰法)とは何なのか?という事ですが

聴診などによって痰が溜まっている場所(肺区域:S)を見つけて、その場所につながっている気管支(B)の向きが垂直になるようにポジショニングしてあげると、重力の影響で痰が出やすくなりますよ、というのが体位ドレナージ(体位排痰法)でした

 

この図の様にSに痰が溜まっていても、ただ単に叩いただけじゃ出てきにくいと思いますが、下の図の様に痰が溜まっているSに繋がってている気管支Bを垂直にするだけでも出やすくなるのは直感的に理解しやすいのではないでしょうか?

その状態で叩けば更に痰がでやすくなりそうでしょ

 

聴診はこの痰の溜まっている肺区域Sを見つけるのに使うんです

なので聴診ができないと肺区域Sが見つけられないわけですから、体位ドレナージが使えないんです

ただ1つ大きな問題がありまして、それは気管支の向きがむっちゃくちゃあるという事なんですね

 

 

 

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この様に主な気管支Bの向きは沢山あります

上から下に行っているものもあれば、下から上に行っているものも、左斜め下から来ているものもあれば右斜め上からきているものもあるんです

もうどんだけあんねん!って感じです(・_・;)

 

 

 

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そのため気管支の向きがこんなにあるので、その気管支の向きを垂直にする体位(排痰体位)というのも、当然沢山ある訳なんです

 

 

 

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右側の肺だけでもこんだけあります

覚えるのも大変そうですね

 

 

 

 

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上の排痰体位が何らかの事情で取れない場合の体位という事で、数の少ない修正体位というのもあります

 

 

さっきより少ないですが、それでも右側だけで5つも

それで前回の話(楽は肺理学療法)では、

患者さんやそのご家族が痰の溜まっている場所Sを見つけるのは難しいし、また排痰体位の沢山のポジショニングを覚えもらうのも大変、もしするにしてもしてもいいのか本人や家族が判断がつかない場合も多いんじゃないか、と言う事で

患者さん本人や家族にもできそうな2つの簡単な排痰体位を提案をしました

 

 

 

それがこれ

日本人の献体114体の肺を解剖して研究した結果、よく妊婦さんがとる前傾側臥位というシムス位と、半坐位といわれるファーラー位を組み合わせる事で、先程紹介した排痰体位と同様の効果があるのではないかとした論文です(Chest.2004 Mar;125(3):935-44)

 

たった3つしか体位がないので、これだったら患者さんや家族がしやすいのではないかという事で話をしました

ただこの前傾側臥位(シムス位)に関しては、家族さんや本人が馴染みの少ない体位であったり、前傾側臥位だと頭を下の方にしてしまうので窒息を本人や家族が心配されたり、下にした肩や顔面、骨盤などに部分的に圧がかかりやすい姿勢であるためスキントラブルになるリスクがあるから、ちょっと難しいかもという話もしました

 

 

 

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そこで、もうちょっと導入しやすい排痰体位という事でもう1つ紹介したのが、これ

それが60°側臥位というものです

今では流石に少なくなったと思いますが、昔、患者さんが退院される際に褥瘡予防という事で30°側臥位で、2時間毎の体位変換を指導されて家に帰られた方もいるんじゃないでしょうか?

それによく似ているのですが、30°側臥位では排痰については効果がないため角度を60°に増やし、背臥位(仰向け)はとっても換気が悪い姿勢なので止めて、その代わりに半坐位のファーラー位を加えるという方法です

 

時間的にも3分から15分程度でも効果が観られるというので、患者さん本人や家族も導入しやすいのではないか、という事で紹介しました

 

ここまでが前回の話の復習になります  

より詳しく知りたいという方は ⇒ コチラ

 

 

 

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確かに患者さんや家族はそれでいいかもしれません…

 

 

 

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しかし、ぼくら医療従事者……つまり排痰を行うプロな訳です

 

 

 

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痰が出やすい姿勢をとってもらって、たまたま痰が出るのではなく

狙って痰を出したい!訳なんですね

 

 

 

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特に訪問場面では介入する時間は限られています

排痰以外にもする事は沢山あります

その限られた時間内で、患者さんにより多くより楽に排痰してもらいたいじゃないですか

 

限られた時間の中で、スマートに痰が溜まっている部屋Sを見つけて、スマートにSに繋がっている気管支Bが垂直になる体位をとってもらって、患者さんにスマートに痰を出してもらいたいわけなんですね

ぼくらは素人じゃなくプロなんですから

 

な~んてね

 

その方がカッコいいでしょ

そのためにあのむちゃ多い排痰体位(体位ドレナージ)を使いたい訳なんです

(簡単にその排痰体位を覚える方法も後から紹介しますので、心配しなくてもいいですよ)

 

 

 

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ただその排痰体位というのは「この肺区域Sに痰が溜まっている時にはこの姿勢」というふうに、肺区域S毎に体位が決まっています

 

 

なので痰がどこに溜まっているのかが分からなければ使えないんですね

そのどこに溜まっているのかを知るための武器となるのが、今回話しをさせていただく「聴診」という事になります

 

 

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聴診について

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かなり前置きが長くなりましたが、ここからが本番

今回のテーマは「聴診」です

 

 

 

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聴診で分かる事としては大きく2つあり、1つは空気の入りの具合(換気の状況)、もう1つは今回聴診する目的でもある気道内分泌物、いわゆる痰の有無貯まっている場所などが分かる、という事です

 

 

 

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聴診のメリットとしては、1つ目は、血液検査などと違い患者さんに殆ど負担をかけずに何度も行う事ができるという点

針を刺すなど侵襲性はないからですね

ただしつこく聴診してたら、さすがに患者さんに嫌がられますので注意してください(^^)

 

2つ目は、障害部位の推定がリアルタイムで行えるという点です

聴診による音の変化は、画像所見よりも早く異変が現れやすい、と言われています

 

特にスクウォークという音は肺炎初期の15%に聞こえたりします(「読む肺音 視る肺音」P61.岡三喜男 著.金原出版)

 

たった15%なのですが、この音がもし聞こえたら家族さんや本人に 「いつもと違う音がしているので、こまめに体温測ってみて、悪くなったら早めに連絡して下さい」などとあらかじめ言っておく事もできますし、他の所見も合わせてどうも悪くなる可能性が濃厚であれば病院受診を勧める事だってできる訳なんです

ちんねん
ちんねん
患者さんやご家族からの信頼はただ上がりじゃないでしょうか?

 

 

 

また聴診がしっかりできて排痰がスムーズに行える様になれば、患者さんはすっきりするので喜ばれますし、ぼくらが介入した時にまとめて排痰できれば、家族さんの吸引する回数を減らす事にも繋がるので、家族さんにも喜ばれます

ぼくは理学療法士なので運動療法をメインにしていますが、患者さんによれば「痰を出す人」と思われているようで、ぼくの顔をみるなりハッフィングしてくれる方もいてます(・_・;)

嬉しい事ですね

 

 

3つ目は、メリットの1つ目と2つ目にかぶるのですが、自分が行った排痰手技や吸引などの処置の効果判定がすぐ行えるといった所です

後で詳しく説明しますが、排痰手技によって痰が肺の奥から口の方に上がってくると音が変わりますし、痰がなくなるとゴロゴロゴロといった貯痰留音がなくなることがあるのですね

何より自分がした結果がすぐ分かるのは楽しいじゃないですか?

それも聴診だからわかる訳です

 

 

検査機器の限られる訪問看護訪問リハビリ場面では、「聴診」はとっても有効な武器だと思います

 

 

 

ASASAS

聴診で使用する聴診器の各部分の名称について復習してみましょう

「イヤーピース」と「イヤーチューブ」を合わせて「バイノーラル」っていうのですね

ぼくも今回調べてみて初めて知りました(・_・;)

 

 

 

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聴診器の装着方法です

聴診器にも正しい付け方というものがあって、急いでつけたりするとうまく耳の穴にイヤーピースがハマらず音がよく聞こえなかったりします

それを防ぐために、実際に着ける前に、目の前にバイノーラルを出して「ハ」の字の形になっているのを確認してから耳に当てるとしっかりハマりやすいです

 

 

 

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聴診器を使う時のコツです

チェストピースはしっかり押し当てないと皮膚との摩擦音を拾ってしまうので、皮膚が白くなるくらいの圧でしっかり押さえつける事が大切です

 

しかし痩(や)せている方の胸は、あばら骨がボコボコ出ていて密着させることが非常に難しいと思います

そういう方には小児用の小型の聴診器を使われると当てやすいですよ

ぼくは小児用はもっていないので、るい痩の強い方の肺音を聴くことには四苦八苦しています

以前、一度STの方に貸してもらったところ、とっても聞きやすかったのを覚えています(STの方は頚部聴診で嚥下音を聴くのに使われていました)

 

小児用はこんなの

 

あと音が聞こえにくい時のコツなのですが、あまり聞こえない時には、上記のスライドの様に左右のチューブに分かれている所を上下にクイクイ軽く動かすと、耳の穴(外耳孔)とイヤーピースがフィットしてよく聞こえるようになる事が多いので、試してみてください

 

 

ちなみにぼくが使っているもの(10年選手)

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ぼくがこの聴診器を好んで使う理由がありまして、仰向け(背臥位)で寝ている患者さんの背中の音を聞く時に、ベッドと背中の間に滑り込ませやすい形をしているからなんです

またちょうど聞こえにくい時にクイクイ動かす所がネームタグ(名札)になっているので持ちやすく、病棟のナースステーションに置いていても間違われて持っていかれることも少なかったです(・_・;)

 

 

ネームタグは別売りで楽天で購入しました

それでも聴こえにくいという方がいる場合、ひょっとしたらイヤピースの大きさが耳の穴(外耳孔)に比べて大きすぎるのかもしれません

特に女性の方

リットマンの聴診器であれば小さ目のイヤーピースも別売りしてくれているので試してみるのも1つの手かもしれません

 

 

 

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話を戻して、これから聴診をする時の話をしていきます

 

 

 

聴診している時のポイント

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聴診の際のポイントは3つあり、1番目が「どの部位で聞こえているのか」を把握する事、これは痰が溜まっている場所が分かるためにも重要です、その場所が分かれば排痰体位を取ることができるからです

2番目が「どんな音が聞こえているのか」を把握する事、これは痰が溜まっている時の音というのは特徴があります、その音が痰が溜まっている事で生じているのか判断するためにも必要です

3番目が「どのタイミングで聞こえているのか」を把握する事、これは2つ目の内容にもかぶるのですが、音のでるタイミングで痰なのかそうでないのかが分かる場合があるんですね

 

それぞれについて詳しく説明していきます

 

 

 

image-0009

まずは1のどの部位で聞こえるかについて

音のする部位についてなのですが、皆さんカルテに書いたり、同僚に伝えたりする際に、聴診した部位をどの様に書いたり、伝えたりしているでしょうか?

 

きちんとこの様に書くのですよ、と教科書に示してくれていない影響もあり独特な言い方をされる人もいますね

それで聴診した本人は分かるのですが他の人はよくわからない、人によって受け取り方が違ってしまう、ということが結構あるのではないでしょうか?

 

もしその聴診した場所などについて皆んなで共有できれば、治療やケアに繋がるのに非常に勿体ないですね

 

 

 

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まずは一番簡単な場所について覚えていきましょう

肺の場所の名前にも色々あるのですが、まずは一番簡単な大まかな名前についてみていきます

この大まかな名前を覚える事も排痰に繋がりますので、しっかり覚えていただけたらと思います

 

 

 

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それは上葉(じょうよう)・中葉(ちゅうよう)・下葉(かよう)になります

 

聞いた事はあるのではないでしょうか?

左下の写真は実際の肺を正面から撮ったものなのですが、向かって右側に心臓があるので左肺がえぐれている形になっています

右下の絵の様に右肺は上葉・中葉・下葉に分かれ、右肺は上葉と左肺の中葉にあたる上葉舌区、そして下葉に分かれています

心臓がある関係で右肺と左肺は微妙な構造上の違いはありますが、はじめのうちは右肺も左肺も上葉・中葉(上葉舌区)・下葉に分かれていると思っても貰っていいと思います

次第に慣れてくると微妙な違いが気になってくると思いますので、それからその違いを細かく学んでいただければと思います

 

 

 

上・中・下葉を色分けしてみるとこんな感じ

Processed with MOLDIV

右側の上葉と中葉の境目は水平裂という切れ目がありますが、左肺の上葉と中葉にあたる上葉舌区との間ははっきりした切れ目はありません

でもね、ぼくらは実際ぼくらは臨床でこんなムキダシの肺を見ることはまずありません(・_・;)

ではどうやって上葉・中葉・下葉を見つけていくのでしょうか?

 

 

 

上葉・中葉・下葉の見つけ方

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それは骨を目印(ランドマーク)にして見つけていきます

人によっては乳頭などを目印にする方もいますが、男性なら胸筋の発達の具合、女性なら脂肪の付き方で全然違ってしまうので、やっぱり骨で見ることをお勧めします

前から見た時、横から見た時、後ろからみた時、それぞれいってみましょう!

 

 

まずは前から見た時

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上葉は第4肋骨より上にあるので、まず第4肋骨を見つけにいきます

 

DSDF
春秋400日様より引用改変

 

まず喉仏(喉頭隆起)に手を置いてもらって胸の方に辿って行くと、1番最初に胸骨のくぼみ(頚切痕)にあたると思います

 

そこから更に下に辿ると少しでっぱりがあり、ここが胸骨角という所(ここは気管分岐部としても大事)

その胸骨角の真横から出ている肋骨が第2肋骨です

 

その第2肋骨の出っ張りを感じたら、下の方に辿っていって第3肋骨を見つけ、更に下に辿って第4肋骨を見つけます

その第4肋骨より上にあるのが上葉です

 

 

 

中葉は簡単です

その第4肋骨と第6肋骨との間にあるので、第6肋骨を見つけにいきます

みぞおちから上に辿ってもらうと引っ掛かり(剣状突起)があると思います

その真横にある肋骨が第6肋骨です

 

下葉は基本的に前面から聴診はできません

前面から聴診しているのに「下葉から副雑音が聞こえる」とかいう人はちょっとおかしいと思われますのでご注意を

 

 

ちょっと透かしてみるとこんな感じ

image-0014

 

 

実際の一連の流れをパラパラ動画であらわすとこんな感じです

前面のデモ2

(協力:うちの爺ちゃん;プリンあげるといったら快くモデルになってもらえました)

 

 

 

このへんでランドマーク(骨)を探す時の注意点について簡単に説明しておきたいと思います

 

ランドマーク(骨)を探す時の注意点

写真 2017-03-07 9 03 40

ランドマークである骨を探すことに夢中になってしまうと、どうしても指先で探しがちになってしまいます

 

被験者(患者さん)にとって指先でグリグリ触られると痛みや嫌な感じがするため、無意識に力が入り筋肉が緊張してしまいます(= 防御的収縮)

そのためよけいにランドマーク(骨)がわかりずらくなって、よけいにグリグリ探してしまう、と悪循環を引き起こしやすいです

 

なのでランドマーク(骨)を探す際には、指先(点)で探すのではなく上の写真の様に面で探す様にすると、コチラもわかりやすいし患者さんも緊張しにくくてgoodですよ

 

 

参考にしてみて下さい

 

 

次は横から見た時について説明します

続きはコチラ ⇒ 肺を横と後ろ からみた時の上葉・中葉・下葉の位置関係

 

 

 

 

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引用・参考文献

END

 

 

今回の引用・参考文献の中でも特に読まれることをオススメする本です

 

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2件のフィードバック

  1. 上肺野,中肺野,下肺野のレントゲン読影のランドマークと聴診する際のランドマークは異なるのでしょうか?

    • サボテンダーさん、コメントありがとうございます

      こちらのページの「そして一般的な聴診手順」の所を見て頂きたいと思います

      例えば聴診した際に副雑音がある場所などをカルテに記載する際に、上肺野、中肺野、下肺野と記載する事があるので、その際にはレントゲン読影のランドマークと同じです

      ただ排痰に体位ドレナージを使うためには、その際には肺区域(S1~10)の場所がわからないと使えません
      肺区域をできるだけ正確に把握するためには各肺葉のランドマークの位置がわからないとずれてしまいます
      この各肺葉のランドマークと肺野ランドマークは違うので注意してくださいねという事を前述のページに書かしてもらいました

      また参考にしていただけたら助かります

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