徳島でリンパドレナージを学びに行ってきました(基本手技コースⅠ・Ⅱ・Ⅲ)
ぼくが訪問している患者さんの中に、ガンの郭清術後に浮腫(むくみ)や重だるさの訴えが強く観られる方がいて、何とか軽減できないか悩んでいました
ネットで調べると「浮腫」そのものを対象にする手技としてリンパドレナージ(リンパマッサージ,リンパドレナージュ ets)なるものがある事を知りました
ちょうどそんなタイミングでにステーションにリンパドレナージの講習会の案内が来て、所長の後押しもあり徳島まで講習を受けに行くことに
今回受講した講習会の団体(日本浮腫療法協会)のHPはコチラ
リンパドレナージを教えてくれる団体は幾つかあるのですが、なぜ今回この団体の講習を受けようと思ったのかといいますと
ずばり1番安価で1番近かったからです
最近、リンパ浮腫外来のある病院が増えています
そこで施術されている方はリンパ浮腫療法士認定機構の試験を受けて「リンパ浮腫療法士」の資格をゲットされている方、あるいは、そのリンパ浮腫療法士認定機構が認めた団体の講習を修了した方がされています
ちなみにリンパ浮腫外来にて施術している方の認定資格を公開しているHPはこちら
どうせ講習を受けるのなら「リンパ浮腫療法士」を目指そうかとも思ったのですが、この認定資格を得るためには、まずリンパ浮腫療法士認定機構が認める団体での講習を受けた後、この認定機構の試験をパスする必要があります
その認定機構の認める団体の受講費用がハンパなかったので、団体の講習を受けることも「リンパ浮腫療法士」の資格取得も断念しました
ちなみにその認定機構の認める団体の1つである日本医療リンパドレナージ協会の受講費用は50万以上、しかも1番近い会場は横浜!、受講日数だけでも22日!
これはあくまで受講に関わる費用と日数で、受講するための旅費や会場への行き帰りに要する移動日は含まれません
これに更に「リンパ浮腫療法士」の資格を取得しようとすると、受験に関わる費用・日数が加わります
自分の負担もすごいですが、22日以上もの休みを許可する職場の負担もかなり大きいです
とても気軽に受けれる講習ではありません
しかも資格をゲットした所で、職場に診療報酬がもらえるなどのメリットはない(2009年9月現在)ですし、自分の持っている基礎資格(PT、Nsなど)以上の医療行為はできません
そのため患者さんは医療保険が使えないので、全額自己負担でされている様です
一方、今回受講した徳島の講習会では、基本手技のみを習うコースを選択できて、受講費用4万台、3日で修了と破格のものでした
しかも今回ぼくは3回に分けて受講したので、職場が休みの土日に済ませる事ができました
だた注意点としては、今回ぼくが受講した団体である日本浮腫療法協会はリンパ浮腫療法士認定機構とは関わりはなさそうです
リンパ浮腫療法士認定機構は、日本脈管学会、日本血管外科学会、日本リンパ学会、日本静脈学会、日本フットケア学会の5学会からなり、厚労省にリンパ浮腫外来の保険診療を認めてもらうように陳情しに行ったりなど、積極的に活動されており、日本の浮腫療法のメインストリームだと思われます
つまり今後、リンパ浮腫外来などでリンパドレナージなどを施行する上で診療報酬などが認められた場合、リンパ療法士認定機構から認定資格を受けた「リンパ浮腫療法士」、あるいはリンパ療法士認定機構の認める団体の講義を修了している者以外は認めない、となる可能性も多いにあるので留意して頂けたらと思います
ぼくとしては、訪問リハビリでリンパドレナージが使えたらいいな、という軽いノリだったので徳島の講習会を受ける事にしました
実際に受講してみて、実技も丁寧に教えてもらえ、実技前の講義(解剖・生理)の内容も特におかしいと感じるものでもなく納得できるもので、受講して良かったと感じています
例えば
1番表層に流れるリンパ毛細管は皮膚の表面からとれくらいの所かわかりますか?
たった0.5mmなんですね
そのため強い力で押してしまうと、毛細管が潰れてしまって流れないので、軽擦法という弱い力で行います
上記の様に、各所で上手いこと「解剖・生理」と「実技」が繋がっているので理解しやすかった(納得しやすかった)です
自分の中の武器が1つ増えた感じです
実際に講義で使ったこちらの資料は日本浮腫療法協会が自作された資料だと思いますが、とても分かりやすく整理されていました
内容はこんな感じ
新浮腫療法の理論と基本手技.日本浮腫療法協会2008 P36 より一部引用
受講後頂いた習得証
あとリンパドレナージ(浮腫療法)をサラッと知りたい方、あるいはセルフケアした方には、一般書籍にも分りやすい本があるので紹介します
DVDが2つもついていて動画でも説明してくれるので参考にしやすいと思います
こちらがその本
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