Mostgraph(モストグラフ)の説明(第6回医療連携交流会・第11回愛媛県呼吸不全研究会)
はじめに
2月8日に国際ホテルで第6回医療連携交流会が、7日の午後からひめぎんホールで第11回愛媛県呼吸不全研究会があったので連日で勉強会に参加して行って来ました
第6回医療連携交流会
県病院の山下先生が整形外科で行われている先進的な取り組み(肩関節内視鏡手術、DAA:THAの脱臼リスクの少ない手術法)について、愛大の三浦先生はOAの慢性疼痛の発生と機序について話をしていただけました
第11回愛媛県呼吸不全研究会
2日続けて勉強会に行くのは躊躇われましたが…
今回の研修では坪井先生の特別公演の他にPTの先輩方2人の発表もあり、しかも呼吸関係ということだったので喜んで「行くべきでしょ」という心の声に従って行ってきました
今回も忘備録的に書き出しておこうと思います
ただ私個人の主観が多分に入ってますので演者様の意図・内容と異なることをご容赦の上、参照下さい
山下先生の話
●県病院では関節鏡下手術において肩関節が膝関節(17例)の3倍超あり、かなり力を入れてされている
●県病院ではTHAの際、大腿骨の展開が難しいとされる前方アプローチ(DAA)を手術体位の工夫によってカバーし、積極的に行われている
●DAAは股関節伸展ー内転ー外旋が脱臼しやすい肢位であり、日常生活でそのような肢位をとることは少ないため、認知面が低下している方に対して有効
加えてDAAは筋の侵襲が少ないため、術直後からSLRが可能(ADL低下予防)
愛大病院の在宅酸素(HOT)外来
●医師の診察前の待合時間に看護外来を行っている(定期受診に合わせて)
●30分以上の指導時間、要記録、個別支援で在宅療養管理指導料(170点)が算定できる
●Ns担当性ではないが、アンケート上では問題となっていない
●患者は易疲労性であるため、1日3人のペースで看護外来を行っている
●訪問看護との連携が今後の問題点
呼吸リハのアセスメントと診療報酬制度
●呼吸リハビリテーションマニュアル第2版が発売(2012/11/27)
評価項目の中で格上げされたのが必須Aには、握力、6MD(6分間歩行テスト)
行うことがのぞましい評価BにはADL動作時のSpo2モニタリング…など
●H24の診療報酬改定により、6MDが時間内歩行試験として算定が認められた(560点)
しかし制約が何個かあり、その中でも大きいのが医師の立ちあいが必要な所、多忙な医師が検査を行えるのか? という現実的な問題があり
Mostgraph(モストグラフ)と 呼吸機能の関係性
●今でも呼吸機能検査にはマウスピース(トイレットペーパーの芯みたいなもの)を口にくわえながら一生懸命に息を吐かなければならない検査が殆どです
とくに1秒量(FEV1.0)などを測る検査は健常者でもかなりきついがこれがCOPDなどの肺病変のある患者さんは本当にきつい (´ω`;)
このMostgraphは座ってマウスピースを口にくわえ、普通に息をして数十秒すると検査が終了し、特に努力は必要としないとのこと
これの意味する所は、一生懸命息を吐くことができないような小児や認知面低下し指示が入りにくい症例に対してかなり有効ではないかと思われました
とっても素敵ヽ(∀)ノ
Mostgraphはスパイロの代わりとなる機械ではないかと発表を聞いていて個人的に思いましたが、ウィキペディアには「スパイロの代用にはならず補完的なものと記載があり、どうも検査結果の評価がまだ統一されていないことが原因のようです
今回の発表ではその辺のことを言いたかったのかもしれませんがMostgraphで肺病変の特異性を検出することが可能であったという内容でした
エビデンスも増えて、機械も安くなったらいいですね
Mostgraphについては以下のHPをご参照
本当に勉強になりました
企画して頂いたスタッフの方々、発表された演者の方々ありがとうございました
どこかの誰かの参考になれば嬉しいです
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COPD(慢性閉塞性肺疾患)の患者さんの息切れを軽くするために
①COPDの患者さんが医療従事者に望む事は?
②「禁煙」しないとリハビリしても意味はない!
③「薬物療法」 と「酸素療法」に加えて「リハビリ」をする効果は?
④腹式呼吸は指導すべき?
⑤横隔膜の同定には打診!
⑥息苦しい動作をする時のコツを知っていますか?
⑦息苦しい動作の評価の仕方(医療従事者向け)
⑧COPDの患者さんには食事(栄養療法)が大切な理由
⑨なぜCOPDの患者さんは筋トレをしないといけないのか?
⑩「筋持久力」と「全身持久力」との違いはわかりますか?
呼吸理学療法手技
・ポストリフトって知ってますか?
・「呼吸介助」 と 「スクイージング」の違いについてサクッとまとめてみた
・呼吸介助についてまとめてみたよ!
・息苦しいから呼吸介助?(息切れがあっても呼吸介助の意味がない場合)
・自分で痰を出しやすくする方法(ハッフィング)についてまとめてみた
吸引回数を減らすために
①ゴロゴロ(貯痰留音)するからといって反射的に吸引していないですか?
②動く(動かす)と吸引回数が減る理由はわかりますか?
聴診
①前から見た時の、上・中・下葉の見つけ方
②横と後ろから見た時の、上・中・下葉の見つけ方
③肺区域(S1~S10)の場所の見つけ方
④なぜ肺から音が聞こえるかわかりますか?
⑤正常な音と、そうではない音との聞き分け方
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