「オーラルフレイル」の岩佐先生の講義があったので行ってみた!

最終更新日

Comments: 0

はじめに

「寝たきり予防と口腔機能 ~ オーラルフレイルってなに? ~ 」という演題で、岩佐康行(やすゆき)先生が今治まで来て講義をしてくれる(しかも無料!)、という事だったので行ってきました

歯科の分野でも最近、サルコペニア(筋肉減少症)との絡みで予防分野に関わる先生も増えているそうなので興味深く参加しました

 

 

 

岩佐先生の略歴はこちら

写真 2016-02-05 5 13 50

 

 

 

 

 

オーラルフレイルってなに?

今回の演題のテーマにもなっている「オーラルフレイル」ですが、僕は今回はじめてこの言葉を知りました

日本歯科医師会のHPに以下の様に分かりやすく説明されています

オーラルフレイルについて|オーラルフレイル|啓発活動|日本歯科医師会

 

「オーラル・フレイル」とは、直訳すれば「歯・口の機能の虚弱」ですが、これは、東京大学高齢社会総合研究機構の辻哲夫教授、飯島勝矢准教授らによる、食環境の悪化から始まる筋肉減少を経て最終的に生活機能障害に至る構造の研究で示されているものです。(以下、続く…)

 

 

 

更に詳しく知りたい方は「オーラル・フレイル」の概念を提唱したグループの1人である飯島勝矢先生の以下の論文を読まれることをオススメします(無料)

虚弱・サルコペニア予防における医科歯科連携の重要性

 

 

 

 

講演を聞いてみた感想

今回の参加者は介護事業者から病院の医療スタッフまで様々だったのですが、寝たきりの原因となる「誤嚥性肺炎・サルコペニア」 と 「口腔機能」との関係を非常に分かりやすく講義して頂けました

特に「運動」 と 「栄養」を繋ぐのが 「口腔機能」 であるということで歯科の重要性がより認識できたと思います

 

 

以下は忘備録

 

 

喉頭部に痰がべったり付着している様子を内視鏡で撮影された動画

この動画を見たら、なぜ食事訓練の前にSTさんが吸引を行っているのか一目瞭然

声帯に痰がへばりついていることで、食べ物が食道に行かず気管へと引きずり込まれている様子が鮮明に捉えられていました

先生も言っていましたが正常な「嚥下」を行うためには、その前に「呼吸」の通り道がスムースであることが必須を言われたのが実感できる動画じゃないのかと思います

 

 

形態学的な話

犬などヒト以外の動物は食物の通り道と空気の通り道はほぼ完全に分かれているため食べながら息をすることもできる

(ちなみにヒトは飲み込む時には息はできない)

index08_img1

http://www.uwajima-mh.jp/cancer/03info/index08.html より引用

 

しかしヒトは直立した事で中咽頭が発達し大きな空間が生まれたことで、様々な声を出し複雑なコミュニケーションを取れるようになったが

同時に食べ物と空気が交差する大きな空間が生まれため誤嚥のリスクを背負う事になった

 

「発語」と「嚥下」にそういった二律背反のような関係があったんですね

面白い

STさんがなぜ発語と嚥下もされる基本的な理由なのかもしれませんね

 

 

食べる事ができる「口づくり」が大切

誤嚥性肺炎は下気道(声門より奥)に胃内容物や口腔内分泌物が入る事で起きるが、それはその入る「内容本人の抵抗力」に影響を受ける

つまり清潔な口腔内の環境であれば、ちょっとぐらい口腔内分泌物を誤嚥した程度では肺炎にならない場合があるという事

誤嚥自体をなくすことは難しいが、口腔内を清潔にすること(口腔ケア)は易しく、しかも確実に行えるため、「口腔ケアは摂食嚥下リハの基礎である」と強調されていました

 

 

「歯周病」と 「糖尿病」との関係

昔は糖尿病だから歯周病になりやすいという考え方が一般的だったが、最近は逆になっている(歯周病だから糖尿病という流れ

 

以下は厚労省のHPからの引用

歯周病と全身の状態 糖尿病と歯周病の双方向性

歯周病関連細菌から出される内毒素が歯肉から血管内に入り込み、マクロファージからの腫瘍壊死因子α(TNF-α: tumor necrosis factor-α)の産生を促進します。その結果TNF-αの亢進が血糖値を下げる働きをもつホルモンであるインスリンをつくりにくくする(インスリン抵抗性)ことがわかっています。すなわち慢性炎症としての歯周炎の存在により血糖値は上昇し、糖尿病のコントロールをますます困難にし、同時に歯周炎も進行していくという悪循環に陥ります。インスリン抵抗性に対して、からだはなんとかしようとして、より多くのインスリンを産生しようとします(高インスリン血症)。しかし高インスリン血症が長く続くと、インスリン産生細胞である膵β細胞が疲労困憊し、末期の糖尿病となります。

 

 

●歯周病は放置されやすい

歯周病は歯の根本の潰瘍で、歯の根元の部分を合わせると掌(てのひら)ぐらいの面積にもなる。

その面積の潰瘍が消化器(胃や腸など)にあったら大事(おおごと)なのに、歯周病はなぜか放置されてる。

 

 

●歯と栄養

・歯のない方は3倍低栄養のリスクあり (kikutani T et al.Relationship between nutrition status and dental occlusion in community-dwelling frail elder people. Geriatr Gerontol lnt.2012より)

・栄養状態のスクリーニングにネスレのMNA-SFが有用

簡易栄養状態評価表表 Mini Nutritional Assessment-Short Form

 

この前の呼吸の講習会でも出てましたね

 

 

歯 と 摂食・嚥下

・ミキサー食やお粥など噛まなくても飲み込める柔らかいものでも、入れ歯があった方が食べやすい場合がある(安易に入れ歯を外すべきではない

ただ入れ歯を入れる事で食物の感覚が分かりづらくなったり、長年入れ歯を入れていない状態から、急に入れ歯を入れると食べ物の入るスペースが少なくなり、嚥下スピードが増え誤嚥のリスクが高まる事があるので注意が必要。

 

 

jijijij

 

http://blog.livedoor.jp/heisei_noirukoiru/archives/28628188.htmlより引用改変

 

舌骨上筋群(上の図)のは口を開ける時嚥下の際に働く筋群

そのため咀嚼している時には嚥下はできない

上記のため嚥下の際に口が半開きの状態であれば嚥下障害が疑われる(十分な喉頭挙上ができないためか?)

 

 

●食事介助をする際、介護者によるバラツキを避け一口量を統一するためカレースプーン、パフェスプーン、ティースプーンなどを食器を使い分ける

ちょうどカレースプーンとティスプーンの間を埋めるものを探していたので助かりました

 

 

最後に

岩佐先生には、とても分かりやすく講義して頂きありがとうございました。

またこの様な講義を企画・運営していただいたJA元気今治のスタッフの方々にもお礼を申し上げます。

 

 

 

スポンサーリンク

 

こちらも読まれると更にブラッシュアップできますよ

勉強会・研修会

循環
(2016/03/10)「運動」は最良の薬! 
(2016/03/31)ABCDEバンドルと維持期
(2016/04/12)貯筋しましょう!(侵襲時の代謝の特徴)
(2016/03/14)高橋哲哉先生の講義を聴きに行ったよ!(これからの理学療法士に求められるモノ)
(2016/05/08)また高橋哲也先生の講義を聴きに行ったよ!(フレイル)
(2016/04/02)リスク管理、スターリングの法則、拡散障害
(2019/04/30)心筋のオートファジー

その他
(2016/02/21)「オーラルフレイル」の岩佐先生の講義があったので行ってみた!
(2016/12/30)自助具の勉強会(今治保健所 /今治社会福祉協議会)
(2017/02/26)京極真 先生の「信念対立解明アプローチ」の勉強会に行ってきた(多職種連携・ぼくの信念対立事例紹介)
(2017/05/19)医療情報管理(個人情報保護法/ 訪問看護におけるリスクマネジメント)
(2019/01/22)夜間頻尿もCOPDと同じ?(夜間頻尿も運動療法で改善できるかも)
(2019/04/23)糖尿病患者の運動療法中の注意点・腰痛症患者の評価介入方法(Knee lifting test)

呼吸
(2012/12/31)呼吸療法認定士試験の勉強方法
   (2013/02/09) Mostgraph(モストグラフ)の説明会 
(2013/08/07)気道粘膜除去装置(パルサー)説明会  
(2014/12/07)呼吸の勉強会(RTXのケーススタデイ)に行ってきた!
(2016/02/15)「スクイージング」の宮川先生達の講義があったので行ってきた!
(2016/02/20)酸塩基平衡の見方 
(2016/02/27)側副気道・排痰機序・等圧点理論
(2016/03/05)換気血流比不均等、低換気の原因、シクソトピーコンディショニング
(2016/03/05)COPDは糖尿病と同じ?
(2016/05/01)COPDの患者さんにも積極的な栄養療法が適さない時期がある(不可逆的悪液質)
(2016/04/02)リスク管理、スターリングの法則、拡散障害
(2016/12/18)呼吸障害患者の摂食嚥下
(2017/06/03)肺がんのリハビリテーション
(2018/12/15)呼吸と嚥下の勉強会

 

COPD(慢性閉塞性肺疾患)の患者さんの息切れを軽くするために
COPDの患者さんが医療従事者に望む事は?
「禁煙」しないとリハビリしても意味はない!
「薬物療法」 と「酸素療法」に加えて「リハビリ」をする効果は?
腹式呼吸は指導すべき?
横隔膜の同定には打診!
息苦しい動作をする時のコツを知っていますか?
息苦しい動作の評価の仕方(医療従事者向け)
COPDの患者さんには食事(栄養療法)が大切な理由 
なぜCOPDの患者さんは筋トレをしないといけないのか?
「筋持久力」と「全身持久力」との違いはわかりますか?

呼吸理学療法手技
ポストリフトって知ってますか?
「呼吸介助」 と 「スクイージング」の違いについてサクッとまとめてみた
呼吸介助についてまとめてみたよ!
息苦しいから呼吸介助?(息切れがあっても呼吸介助の意味がない場合)
自分で痰を出しやすくする方法(ハッフィング)についてまとめてみた

吸引回数を減らすために
ゴロゴロ(貯痰留音)するからといって反射的に吸引していないですか?
動く(動かす)と吸引回数が減る理由はわかりますか?

聴診
前から見た時の、上・中・下葉の見つけ方
横と後ろから見た時の、上・中・下葉の見つけ方
肺区域(S1~S10)の場所の見つけ方
なぜ肺から音が聞こえるかわかりますか?
正常な音と、そうではない音との聞き分け方

 

 

ブログランキングに参加しています。
お役にたてたようならポチッとお願いします。
訪問看護 ブログランキングへ

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメントする