高血圧治療に関する勉強会に参加(今治医師会勉強会)
はじめに
昨日、今治国際ホテルで「心血管イベント抑制に向けた高血圧治療ー非ステロイド性新規MRブロッカーへの期待」と題して、徳島大学大学院医歯学研究部循環器内科学教授の佐田政隆先生が講義をして頂ける、とういう事だったので喜んでいってきました
何年か前、日本テレビの「世界一受けたい授業」にも出演されていた有名な先生です
この勉強会は医師会中心という事で参加される方もDrばっかりの中、なぜ理学療法士であるぼくが参加した理由を説明したいと思います
心不全になる主な原因には、(基礎疾患比率の)大きなものから高血圧性、虚血性、弁疾患、心筋症などがあります
今回の講義は、この中でも大きなボリュームを持つ高血圧性に対する治療薬に関するものだったため、どんな事を普段Drは考えられているのだろう、どんな事を気をつけられているのだろう、という事を知りたいと思い参加しました
今回の記事の内容も自分の忘備録を兼ねています
ぼくは基本的な知識が不足している状態のため、講演していただいた先生の意図とは違い、間違って理解している事も多々あります
なので参考程度に留めて頂けると助かります
ぼくの主観に基づいた箇条書き
・脳血管と冠動脈造影を同時にする事が多い(同時造影)が、脳血管を造影する様な症例の6~7割に冠動脈の病変が見つかる
⇒ 脳血管造影をする様な患者さんと冠動脈造影をする様な患者さんのリスクファクターがかぶっている場合が多いためだと思います。先生の病院ではそういう事もあってか患者さんの造影をする負担を減らすために同時に造影する事が多いと言われていました
・血管造影では血管内腔が同じ大きさであればプラークが大きくなっている事に気づけない場合があり(陽性リモデリング)、そのプラーク破裂が原因でACS(急性冠症候群)を発症してしまうことがある。陽性リモデリングでは予測するのは困難。そういう事もあり動脈硬化を予防する事が大事。
⇒ 心リハの勉強でも学んだのですが、虚血発作を何回も発症している人よりも1回目の発作の方が予後が悪い(Preconditioning)というのはこういう事が原因にあるのではないでしょうか。1度目の発作の方は、陽性リモデリングでかなりプラークがすでに大きくなっていたのかもしれませんね。
・イベントを予防するには、リスク(生活習慣病)を管理する事が重要。事故や別の病気で亡くなった小学生の血管を解剖してみてみた所、既にびまん性の動脈硬化が認められたとする報告あり。20歳を過ぎると急速にプラークは大きくなり、最終的に6割は破裂、4割はびまん性となる。
・リスクを放置していると無症状のうちに相乗的に動脈硬化を進めてしまうことになってしまう
・動脈硬化の原因は最近の研究では「炎症」が原因と言われている。その「炎症」がなぜ起こるのかは、高血圧によってRAS(レニン・アンジオテンシン)系、プロスタノイドなどが増加、糖尿病などで高血糖が続くと終末糖化産物などが増加し、それらが血管を痛めてしまう。
・ACS患者においてACE活性が増加しているため、RAS系を薬物によって阻害する事で動脈硬化を抑制。ただRAS系を抑制するACE阻害薬やARBでは服用を続けていくと、はじめはよく効くがだんだん効かなくなってくるアルドステロンブレークスルーという問題がある。
・アルドステロンが増えてしまうと高血圧になるだけではなく、多彩な臓器障害を引き起こしてしまう。アルドステロンがミネラルコルチコイド受容体(MR)と結合する事で炎症を引き起こす。このMRは腎臓だけでなく色んな臓器(心臓・血管系・中枢神経系)にある。これはACE阻害剤やARBだけでは防ぎきれない。
⇒ MR活性化すると心臓では、心線維化、心肥大、炎症,血管系では内皮機能障害、微小血管障害、血管周囲線維化、血管収縮,中枢神経系では交感神経活性化などを引き起こす
・RAS系は人が地上で生き抜くために発達させたもの(塩分のある海じゃなくても行きていける、感染・飢餓対策 ⇒ 水分やNaを貯め込む、怪我をしても血が止まる ⇒ 血管を収縮させる)であるが、現代人では動脈硬化や臓器障害の原因になってしまっている
・スピロノラクトンはアルドステロンをブロックする事で間接的にMRをブロックできるが、ステロイド骨格を持っているため、女性化乳房、勃起不全、無月経などの副作用が出やすいという問題点がある。またやエプレレノンでも同様にアルドステロンをブロックする事で弱いながらもMRブロッカーとして作用するが、高カリウム血漿などの副作用が出やすく、特に腎機能が落ちている方には使いづらいという問題点がある。新薬のミネブロは非ステロイド性であり直接MRをブロックするためこれら副作用が出にくいという長所がある。ただし価格が高い。
・内臓脂肪が貯まるとアルドステロンが増える → 血圧増、インスリン抵抗性増
・血漿アルドステロン値が高いと認知機能低下するという報告があり → MRブロッカーで有意に改善が観られたとする報告あり
今回、講演してしていただいた佐田政隆先生、勉強会を開いて頂いたスタッフの方々ありがとうございました m(_ _ )m
どこかのだれかの参考になれば嬉しいです
頑張っていきまっしょい!
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